「本を読むことは、過去の偉人達(本を書いた人達)と対話するようなものである。しかも、ただ対話するのではなく、その偉人達のさらに良い所だけを抽出しているようなものである。したがって、本を読むことはとてもよいことである。」
デカルトの方法序説に、こんなようなことが書いてありました。たしか。
確か高校生のころ、「我思う、故に我あり」という言葉になんだかやたらと感心して、勢いでデカルトの方法序説を読んでみました。
結局、読んでみても良くわからなかったような気がするけど、上記の言葉だけはすごく印象に残っています。
そんなわけで、本を読むのはとてもよいことだと思ってます。
とはいえ、何の本を読んでいいかわからない、ということもあると思います。
柴田 芳樹さんの「ソフトウェア開発の名著を読む 【第二版】 (技評SE選書)」は、ソフトウェア開発者向けの、言うなれば本の本です。
本書は、3つのカテゴリに分けて、10冊の本を紹介しています。
—
第一部 ソフトウェアは「人」がつくる
- ジェラルド・M・ワインバーグ『プログラミングの心理学』
- フレデリック・P・ブルックス, Jr『人月の神話』
- トム・デマルコ/ティモシー・リスター『ピープルウェア』
- トム・デマルコ『デッドライン』
第二部 実践する開発者
- ピート・マクブリーン『ソフトウェア職人気質』
- アンドリュー・ハント/デビッド・トーマス『達人プログラマー』
第三部 読みやすいコードを書く
- スティーブ・マコネル『コードコンプリート』
- ブライアン・W・カーニハン/ロブ・パイク『プログラミング作法』
- マーチン・ファウラー『リファクタリング』
- ブライアン・カーニハン他『ビューティフルコード』
—
本文中では、一冊あたり約20ページが割かれています。
各本についてふわっと説明するというより、ポイントをしぼりながら具体的な紹介がなされています。
また、単なる紹介だけではなく、自身もソフトウェア技術者である著者(柴田さん)の感想や考えなども入っています。
柴田さんの紹介文を読んでいると、どの本も手にとって見たくなります。
ちなみに僕がこの本(名著を読む)を読み終えたのは結構前なのですが、この本を読んでいて特に『デッドライン』が面白そうだと感じて、この本(名著を読む)を読み終えてからすぐに購入して読みました。たまたまこの本(名著を読む)を読んでいたときにプロジェクト管理について思いをめぐらしていた、というのも関係あったかもしれません。
『デッドライン』はプロジェクト管理を小説形式で表現した本なのですが、「ソフトウェア開発の名著を読む」を読んで想像していた通りの感じでとても面白く読めました。
現在は、他のいくつかの本とともに『達人プログラマー』を読んでいます。
『達人プログラマー』も、「名著を読む」を読んで想像していた通りの感じです。実践的なプログラマーになるために大事なことが、具体的に記載されています。
もうすぐ読み終わりそうですが、是非定期的に読み返したい内容です。
ソフトウェア開発の名著との出会いを、内容の解説・紹介付きで提供してくれる本でした。
自分が読みたい本を探すのも良いし、これから読む本の導入として読むのもありなのではないかと思います。